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放課後にて 25
ある日の放課後。
いつものように涼音が涼香の下へやって来る。
今日も今日とて暇で、やることが無い涼香は、連絡プリントで折り紙をしていた。
「それ、遊んじゃダメなやつなんじゃないんですか?」
「それを決めるのは私ではないわ」
「じゃあなおさらダメじゃないですか」
涼音の言葉に髪の毛を払う涼香である。
「貰うプリントって、長方形なのよね」
「まあそうですね」
「鶴すら折れないではないの!」
「じゃあなにを折ってたんですか⁉」
「可能性……かしら……。はい、もういいわ」
「えぇ……」
渡されたプリントを伸ばしてみる。
涼香が折り紙に使っていたプリントは、折っても大丈夫そうなプリントだった。
「涼音、今日も可愛いわね」
「急になんですか」
こうして、いつもの緩慢な放課後が過ぎていく。




