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平日の朝にて
「おはようございます」
ある平日の朝。涼音がいつも通り涼香の家へ迎えに行くと、半ば寝た状態の涼香がいた。
辛うじて着替えているが、ネクタイはいつも通り曲がっている。
「おはよう……ふぁあ……」
「忘れ物無いですか?」
涼香のネクタイを改めて結んであげながら涼音は聞く。
眠たくてカクンとなったのか、頷いたのか分からない。これも毎日のやり取りだ。
「おはよう、涼音ちゃん。今日もよろしくね」
「おはよ」
ひょっこりと顔を出した涼香の母に返す。
ペラッペラのリュックの中身を確認して忘れ物のしようがないことを確認した涼音。
「行きましょうか」
そうして今日も涼香と共に家を出るのだった。




