新聞部にて
「えーっとなになにぃ? 創立当初から一学年に一人いた……かあ……」
「困るなあ、創立当初からなら理由が分からないじゃあないか」
新聞部にやってきた千春と美沙は、新聞部員に話を通して過去の記事を見ていた。
新聞部は四十二年前の創立当初からあるらしく、その最初の記事で一学年に一人の超絶美人が取り上げられていた。
超絶美人枠の生徒は何故か写真には写らない。動画も同様だ。
今のインターネットの時代では情報の拡散はSNSを通して行われる。それでもこの学校がある程度平和なのは彼女達の特性があるからだ。
ただこの当時は、大体が噂で広がるのだろう。学校に外部から人が押し寄せたと書いてある。
とある時代によればテレビも来たとか書いてある(テレビカメラには映らなかったはず)
「今の時代で良かったのかもね」
千春がそんなことを言いながら記事を閲覧していく。
ちなみに昔の記事も置いてあるが、今は全てがデジタル化されている。だから二人はパソコンの画面で見ている。
画面には当時の様子の写真が掲載されている。
「これ文化祭じゃないんだよね?」
「常にこれっていうのはさすがにきついね」
学校に人が溢れかえっている様子見て、二人はげんなりしている。文化祭の混み具合は想像を絶する。それが日常になっていることを想像するだけで嫌になる。
それから記事の閲覧を進めるが、特になぜそのような生徒がいるのかは触れられていない。
答えが無いということは、本当に七不思議のひとつとして数えてもいいのかもしれない。そう美沙は思ったのだった。




