693/929
家庭科室にて 14
急に現れたり消えたり、神出鬼没の真奈はマフィンができた瞬間に、今度はドアから出て行っていた。
「ほんとに謎ですよね」
音も無く開いて閉じたドアを見て、涼音が考えるのを止めた声で言う。
「でも涼音は可愛いわよ」
「今の流れでおかし――ここねも可愛いわよ」
「あっ、流れに乗るんだ……」
「なんなんですか……」
さすが即興七不思議になっただけのことはある。
涼音はさてこれからどうするかと、焼いたマフィンを食べながら考える。考えたところで涼香に合わせるから意味は無いけれど。
「残りの七不思議はどうなったのかしら?」
「菜々美ちゃんも気になる?」
「ええもちろん。涼香と涼音ちゃんは?」
「当然気になるわよ」
「そいうことですね」
ということは、四人が取るべき行動はただ一つ。
「探すわよ‼」
「ええ!」「「はーい」」




