放課後にて 22
「それでその七不思議の内容だからあたしらのとこに来たんですね……」
一通り事情を説明された涼音は、それならと渋々付き合うことにした。
「ちなみに一個目の『どこにでも出没する東崎千春』は、千春が暇人ってことで結論が出た」
黒板に書かれた七不思議の写真を見せながら美沙が言う。
「それで次はこの『水原涼香の存在』と『檜山涼音の可愛さ』の二個ってこと」
「涼音が可愛いのは涼音だからよ! この世の常識よ‼ むしろ涼音の可愛さがまだ知られてないということこそが世界の七不思議よ!」
拳を握りしめる涼香に心底面倒くさそうな目を向けた涼音も言う。
「先輩の存在ってもう不思議の域超えてるんじゃないんですか? それを言うなら先輩のお母さんの方が不思議ですし」
「それ、どっちも学校の七不思議にならないよ」
相変わらずだな、と美沙が下唇を突き出す。
「やっぱそうなるか……。私的には涼香と涼音ちゃんの謎よりも、菜々美の方が気になるんだよなあ……」
そう言って千春は他の不思議にレールを繋げる。
涼香と涼音のことはこれでいいのかと、美沙は思ったが、元々パッと思いつく不思議を並べただけだ。こんな答えもありだろう。
涼香と涼音に礼を言って、千春と美沙は家庭科室へと向かうのだった。




