占い部にて 番外編
涼香と涼音が帰った後の占い部では、占い部の春と秋、日花と月花と暇人の千春がまだいた。
あと三十分もすれば最終下校時刻で、嫌でも帰らなくてはならない。
「いやさあ、びっくりだよね。まさか占い部に新入部員が入るなんて」
「「頑張ったよー」」
「先輩頑張っていましたもんね~」
同時に肩を落とす春と秋に日花が笑って返す。
「でも、そのおかげで私達は今楽しいですから」
「「そう言われると嬉しいな」」
春と秋はなんてことないように言うが、日花と月花は照れたように俯く。その様を千春は二度見する。
(え、マジ? あー……マジ?)
一体この四人の間になにがあったのか。自分の考えすぎかと思うが、もしそうなのだとしたら? どっちに聞けばいいのか。春と秋の反応的に、日花と月花に聞いた方がいいのだろうか。
春と秋は気づいてないだろうが、日花と月花の耳が赤い。これはもうそういうことなのかもしれない。
首を突っ込みたい。暇だから。
「あっ、そうだ。日花ちゃんと月花ちゃん、連絡先交換しない?」
「えっ?」「私達とですか?」
「「ちょっとちょっと、うちの後輩に変なこと吹き込むんじゃないの?」」
「しないよ。ほらほら、悪いようにはしないからさ」
「「うわ信用できない……」」
春と秋の抗議を受け流しながら、千春は日花と月花にだけ聞こえる声で言う。
「味方、欲しくない?」
「「⁉」」
雷に打たれたかのような衝撃を受けた二人。日花と月花は賢いのだ。それはもうトップレベルに。だからそれだけで千春の言いたいことが理解できた。
「「お願いします‼」」
「「なんでー⁉」」
「おいおいおい、可愛い後輩ちゃんの邪魔をするんじゃあない」
そう言って春と秋を押さえ、日花と月花と連絡先を交換する千春であった。




