占い部にて
とりあえず、七人は占い部が使っている教室のスペースにやって来た。
この教室の広さは普通の教室と同じで、パーテーションで六つに区切られている。
その一角が占い部の使っているスペースだ。
「「もう今日は誰もいないから、少々の話し声は大丈夫だよ」」
教室を六等分したスペースに七人が会しているため、かなり窮屈だ。
そんなスペースに椅子を円状に並べて座っている。
「「用があるっていうのは、この子達を見せたくてね。一年の大空姉妹でーす」」
そう言って、春と秋がもう一組の双子を紹介する。
「大空日花です!」「大空月花です」
紹介された日花と月花は、その名の通り大空に映える一輪の花のように、自然とそこへ目が向いてしまう程美しく可憐な生徒達だった。
学校が学校なら、全生徒を虜にしてしまう程の美人双子姉妹になっていたであろう。
「なるほど、日花と月花ね。水原涼香よ、よろしく。こっちは可愛い涼音よ」
涼香が自己紹介し、紹介された涼音は軽く会釈する。
「「お二人とこうして顔を合わせることができで幸せです〜」」
その笑みは、見る人が見れば照れてしまい目を逸らてしまうような美しいものだ。しかし、この学校の三年生と涼音には効かない。
「なるほど、そういう子達か……。私は東崎千春、よろしく」
「「はい! 元生徒会長さんですよね」」
大空姉妹は嫌味な部分が全く無い純度百パーセントの笑顔で微笑む。
「「二人はこの占い部の新入部員になったんだ。これで心置き無く引退できる……」」
「まだ文化祭まで先輩には頑張ってもらいますよ〜!」
そう言ったのは日花だ。日花は天真爛漫な動の笑みが特徴だ。
「私達も、まだまだ分からないこと沢山ありますから〜」
続いたのは月花。月花は落ち着いた静の笑みが特徴だ。
二人同時に喋ると分からないが、こうして別々に喋ると、二人の見分けは春と秋以上に簡単だ。
見た目声音が同じでも、そうした部分が違う。
「妙だな……」
「ええ、妙ね……」
それの違和感に気づいた千春と、それっぽく同じことを言う涼香であった。




