放課後にて 17
「おいおいおい、涼音ちゃん。そんな目で見なくてもいいんじゃあないか?」
スっと目を窓の外に逸らした千春が言う。
「涼音は可愛いのよ」
なにも喋らないと決めていた涼音も窓の外に視線を戻している。
しばしの沈黙、涼香がちょっかいをかけてくるが気にしない。
「「あれれ、おっかしいな」」
それからも待つが、一向に春と秋の言う人物が現れる気配は無い。
「てか誰探してるの?」
今更ながら、千春が春と秋に聞く。
そしていつも通り、二人が同時に返してくれる。
「「誰を探しているんですかね〜」」
しかし――声が違った。
「「「「――っ⁉」」」」「気配を感じなかったわ。やるわね、あなた達」
驚いて振り向く涼音と千春と春と秋。涼香は澄ました顔で振り向く。
そこにいたのは春と秋のような、全く同じ顔をした生徒が二人いた。
「「さっすが水原先輩! あっ、檜山先輩もいる⁉ 二人とも近くで見ると自信が無くなるぐらい綺麗でかっわいい〜」」
そう捲したてる二人組をやんわりと年上の余裕で宥める双子がいた。
「「分かったから、ちょっと落ち着いてね」」
「「は〜い」」
立体音響対立体音響、少し頭がクラクラしてくる涼音と千春である。




