放課後にて 14
家事炊事部――それは家庭科部とはまた違った部活なのである。
この学校に似た部活が多い理由は、新たに部活を作る時考えるのが面倒だったからである。
そしてそういったよく分からん部活の全てが、創設二年である。つまり涼香が一年生の時に作られたのである。
現三年生は涼香を中心に回っている節がある。
こうして部活が増えたのも、無駄に徘徊する涼香から学内施設を保護するためなのだ。
学内の隅々に部活動が広がり、涼香がどこへ行っても誰かしらいるし、涼香がお邪魔することができる。
涼香から絶対に目を離さないためなのだ。
ただ、それも涼音が入学してきてくれてから随分と楽になっている。
「家事炊事部って、家庭科部となにが違うんですか?」
「家庭科部はあくまで家庭科の延長線上なのよ。それに対して家事炊事部は、その名の通り家事と炊事をする部活よ」
「あー……、へえ……。ああー……」
なんとなく分かりそうな涼音だが、まだいまいち分かっていない。
そんなこんなで二人がやって来たのは家事炊事部の部室。校舎の隅っこにある部屋だった。
涼香はその部屋のドアを、いつも通り勢いよく開けるのだった。




