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休日にて 3
土曜日の朝――といってももう昼前だが、いつも通りケーキを持って来た涼音は、寝息を立てている涼香の頬をぺちぺち叩いていた。
「起きてくださいよー」
「嫌よ‼」
「起きてるじゃないですか……」
クワっと目を見開いた涼香を見て呆れた涼音は、無理やり涼香の身体を引っ張って起こす。
「いいからさっさと顔洗ってきてください」
ぼっさぼさの髪の毛を手櫛で梳いてあげながら、涼香の背中を押す。
渋々といった様子で涼香は顔を洗いに行く。その隙にお皿にケーキを起き、カップにとりあえず白湯を注ぎ、ベッドに潜り込み待つ。
「来たわよ!」
帰って来た涼香が、ベッドで眠る涼音を見て微笑み、床に座る。
「すーずね、食べるわよ」
「はあい」
生返事をする涼音の耳にかぶりつく涼香であった。




