休み時間にて 7
「あら、菜々美あなた、ここねと同じ匂いがするわね」
「ちょっ――」
指摘された菜々美が慌てて涼香の口を塞ぐが、もう涼香は言い終えている。塞いだところで意味は無い。
「やっぱりそうだよね」「予想通り」「もしかしてって思ってた」「それな」「アタシも同じ匂いする思ってた」
周りの反応は概ねこの通り。みんな同じ匂いがすると思っていたらしい。
「あっ……あああ……ああっ……‼」
その指摘で真っ赤になった菜々美は爆発しそうになる。しかし、ここねの家へお泊まりという一大イベントを経験した菜々美は、昨日までの菜々美とは違う。必死に爆発しないように耐えている。
オーバーヒートによる機能停止もしないし、爆発もしない。一同は成長した菜々美を見て熱い気持ちになっていた。
頑張れ菜々美、成長した姿見せてくれ――と。
「ああああああああ……っ」
「あら、涼音ではないの」
その最中、涼音を見つけた涼香が離脱する。それと入れ替わるようにやって来たのはここねだった。
「菜々美ちゃん」
と、サイドテールをぴょこぴょこしながら菜々美の下へ駆け寄る。そして、菜々美の左の胸元へ、抱きつくと同時にさりげなく口付けをする。
「ああああああああああああああああああ‼」
「きゃー」
爆発した菜々美、その周辺全てを吹き飛ばすのであった。




