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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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通学中にて

「台風が過ぎれば少し涼しくなると思った時期が私にもあったのよ」


 台風が過ぎ去り、青い空が朝から見える日のこと。


 涼香(りょうか)は隣を歩く涼音(すずね)に力強く言っていた。


「あたしも思ってましたよ。いつまで暑いんですかね?」


 九月も半ばに差し掛かり、少し涼しく感じられる時間帯は増えてきたが、それでも日中の気温は真夏日を記録している。


「それでも涼音が可愛いのは変わらないわ」

「話繋がってませんよ」

「涼音が可愛いのがいけないのよ」


 いつも通り、涼香の相手をするのが面倒になった涼音は黙って歩く。


 なにも言わないしなにも聞かない。強い意志を持って臨む。


「そういえば、駅前に新しくできたパン屋さんが美味しいらしいわよ」

「……………………」

「カップ麺は色んな味を混ぜると豚骨醤油味になるのよ」

「……………………」

「電車を一キロ動かすのに必要な電力は自転車で地球半周分らしいわよ」

「……………………」

「ほら、このアスファルト割れているでしょ? これは地下水がある証拠なのよ」

「……………………」


 すごくツッコミたいのだが、強い意志を持って臨んでいため、涼音はなにも言わずにただ歩くのだった。

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