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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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643/930

休み時間にて 6

「パンはパンでも、食べられないパンってなにかしら?」

「パンツじゃないの?」

菜々美(ななみ)……、あなたパンツを食べようとしたの?」

「してないわよ‼」


 ある日のこと。


 暇をしていた涼香(りょうか)は、近くにいた菜々美達に話しかけていた。


「フライパンですか?」

「確かに硬くて食べられた物ではなかったわ」

「食べようとしたことがあるのね……」


 当然のように現れた涼音(すずね)への返答に、菜々美が頭を押さえる。


「他のパンは……、カビたパンとか?」


 菜々美に頭を撫でられ、気持ち良さそうに目を細めるここねが言う。


「確かに食べられないわね。ならその三つで決勝戦ね! 一位は涼音の言ったフライパンよ‼ 理由は涼音が可愛いから‼」

「なんなんですかこの急展開」

「わたしは菜々美ちゃんのパンツかなあ」

「やめてここね。その言い方だと――」


 菜々美が抗議しようとすると、ここねが菜々美の胸ぐらを掴み引き寄せる。


 そして口元に菜々美の頭を持ってきて、菜々美にだけ聞こえる声で言う。


「もしかして、菜々美ちゃんは食べさせられたいの?」

「あっあああああああああああああああ⁉」


 爆発する菜々美であった。

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