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休み時間にて 4
休み時間のこと。
「見なさい。これは昨日の涼音の可愛い写真よ」
涼香がスマホをクラスメイトに見せて回っていると――。
「なにやってるんですか……」
「語弊があるわね。可愛い写真ではなく、可愛い涼音の写真よ‼」
「いや、マジでなにやってるんですか」
「写真から涼音が飛び出した⁉」
「そんな訳無いじゃないですか」
心底呆れた様子の涼音が、涼香の手からスマホを取り上げる。
別に涼香はスマホが無くても生きていける人間だ。今は特に取り返そうとしなかった。
「だと思ったわ。今日も可愛いわね」
嘆息した涼音が、涼香の額をぺちんと叩き、涼香の席へ移動する。
それを追い越して椅子に座った涼香が、涼音を自分の上に座らせる。
「……普通に座りたいです」
「ダ☆メ」
綺麗なウインクをする涼香に舌打ちをする涼音であった。




