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放課後にて 7
知性を感じる涼香の言葉に一同唾を飲む。
どの段階で長い言葉を出すか。また、その言葉を知っているプレイヤーがいるのか。思いの外頭を使う戦いになるだろう――とは、誰も思っていない。
なぜなら、ジャンケンは運だから。
「「「「ジャンケンポン‼」」」」
「「「「あいこで!」」」」
今度は涼音の一人勝ち。
手はグーだ。
「グ レ ェ プ フ ル ゥ ツ」
八段上った涼音。
「「「「ジャンケンポン!」」」」
「「「「あいこで!」」」」
「「「「あいこで!」」」」
「「「「あいこで‼」」」」
今度は涼音と千冬がグーで勝った。
「「グ レ ェ プ フ ル ゥ ツ」」
二人とも、先程と同じ言葉で上る。
これで千春は二十段、千冬は十九段、涼音は十六段である。
千春と千冬は、踊り場をすぎてジャンケンするのも大変そうだ。涼音も踊り場をすぎている。
そんな三人を、恐ろしいものを見たような表情で見る涼香。
「私だけ一向に進まないではないの‼」




