陰陽部にて 4
「うっ……分かりました」
「ですよねー」
まりと、戦線復帰したまきが答える。
それを聞いた涼音は、元の世界に戻れることに安堵する。
未だに真っ青なまいの顔面をぺちぺち二人で叩いて正気に戻すと、早速三人で元の世界に戻すためであろう儀式を始める。
その儀式のため、折り畳み式のミニテーブルを広げ、その上に『はい』『いいえ』『鳥居』五十音とゼロから九までの数字が書かれた紙を広げる。
「おいおいおい、やっぱりオカルト部じゃん」
ツッコみを入れる千春と慌てて涼香の後ろに隠れて耳を塞ぐ涼音である。
「可愛いわね」
後ろに隠れた涼音を撫でながら、涼香は陰陽部の方を向く。
「十円‼」
元に戻ったまいが叫びながら、十円玉を紙に書かれた鳥居に叩きつける。
強い音がしたのと同時に、微かに空気が震えた気がした。
「「「こっくりさんこっくりさん――」」」
その準備はそうなるだろう。ただ、こっくりさんでどうやって元の世界に戻るのだろうか。
「「「テメェ道開けろや‼」」」
すると突然そんな怒号と一緒に、こっくりさんの紙が破かれた。
そして次の瞬間には、冷房の風が吹き、外からも各部活動が活動している音が聞こえてきた。
「戻ったね」
「戻ったわね。涼音、戻ったわよ」
こうして、涼香達は元の世界に帰ってこられたのだった。




