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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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609/929

家庭科室にて 2

涼音(すずね)に呼ばれた気がするわ」

「気のせ――私もここねに呼ばれた気がするわ」


 顔を見合わせた二人。


 考えていることは同じだ。


 二人は同時に駆け出した――はずだったのだが、涼香(りょうか)の姿はどこにも無かった。


 先に家庭科室の入り口にやって来た菜々美(ななみ)が振り返る。


 そこには、案の定、床と平行になった涼香がいた。


「私のことはいいわ……早く行きなさい……‼」


 緊迫した空気を出す涼香とは裏腹に、菜々美は「全く……」と言いながら、ゆっくりとした足取りで涼香の下へやって来た。


「相変わらずドジっ子ね……」


 そう言って涼香を立たせてあげる。


 いつもいつもこんな転び方をして、なぜ目立った怪我が無いのか不思議で仕方ないが、そもそもが不思議で謎すぎる人物なのだ。考えるだけ無駄といえよう。


「かかったわね‼」


 立ち上がった涼香が、見計らったかのように菜々美の脇をすり抜け――家庭科室のドアにぶち当たった。


「えぇ……」


 また涼香を立たせてあげる。


「痛かったわ」

「そうね。もう歩いて行きましょう」

「負けを認めるの?」

「あなたのことを心配しているのよ」

「私の勝ちね」

「話聞いてる?」

「行くわよ‼」

「もうっ……」


 二人は各々搭載しているレーダーに従いながら、涼音とここねのいる場所へと向かうのだった。

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