授業中にて 2
「文化祭なにするー?」
本来の時間で、文化祭の出し物を決めをしているのだが、拗ねた涼香はずっとそっぽを向いている。
その様子に一同安心して、それぞれ案を出していく。
「三年は結構軽めのやつだよねー?」
「受験組もいるしね」
そうやって割と真面目な話をしているが、もう涼香にとってはどうでもよかった。
涼音の可愛さを世に知らしめたかったが、もうそれは叶いそうにない。
(こうなれば、どこかの部活にプレゼンしに行くしかないわね)
クラスでの出し物は諦めよう。そうやって涼香が決意を固めていると――。
「涼香は準備手伝ってね」
「ええ、任せなさい」
もう決まったあのだろうか? 反射的に答えてしまったがなにをするのだろうかと黒板を見る。
――大使館。
「面白そうね」
大使館とはなにか、いつもの涼香なら分からないが、今の涼香は学力残量が多いのだ。いったいなにをするのか予想するのは容易い。
「さて……涼音はなにをするのかしら」
だから涼香の意識はすぐに涼音のことに向くのだった。




