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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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休み時間にて 2

 文化祭は十月下旬、その文化祭でなにをやるのか、九月の頭には決めなければならない。


 そんなある日の休み時間のこと。


「文化祭、うちのクラスはなにをするのか案はある?」


 ここねが隣の席の涼香(りょうか)に問いかける。本当は一時間、どこかの時間を使って決めるのだが、その時間で涼香に変な発言をさせないため、予め聞いておくのだ。


「写真館が良いと思うわ」

涼音(すずね)ちゃんの?」

「それ以外無いわよ。あら、菜々美(ななみ)ではないの。あなたがどうしてもと言うのなら、ここねのスペースを作ってあげるわよ」

「え、なに? 急にどうしたの?」

「却下」

「ねえ菜々美、ここねが冷たいわ」

「沸いているあなたの頭には丁度いいと思うわよ」

「…………」

「涼香ちゃん、他には?」

「涼音メモリアル館」

「却下」

「菜々美……‼」


 冷たいここねの対応に心を痛めた涼香が、涙目で菜々美を見る。


 そっと視線を逸らす菜々美である。


「他には?」

「………………回転寿司」

「却下」

「なら私に聞かないでよ!」


 これで涼香は静かになるだろう。一仕事終えたここねは、菜々美に頭を撫でてもらうのだった。

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