昼休みにて 2
「あっ、白身魚のフライだ」
そう言った涼音に、涼香の輝く瞳が突き刺さる。
なにも言わなくても、涼香が白身魚のフライを欲しがっているのが分かる。その証拠に、涼香は自身のお弁当のミートボールを涼音の口に入れるため摘んでいた。
しかし涼音はそれを無視して、白身魚のフライを口に入れる。
「え、ミートボールくれるんですか? ありがとうございます」
そしてその状態のまま固まる涼香からミートボールを貰った涼音。しばらくすると涼香が動き出す。
一品減ったお弁当に目を落とし、再び涼音を見た涼香の目には悲壮感が漂っていた。
「なんでですか」
「しらばっくれるではないの」
そんな涼香の言葉を涼音は無視する。
全く相手にされない涼香は、徐々に悲しくなってきた。最近少しは素直になったのかと思えば、まだまだ反抗期は終わってないみたいだ。
「でも可愛いわね」
「じゃあウインナーも貰いますね」
「なら私はご飯を貰うわ」
「そんな人いるんですね……」
そう言いながらもウインナーを貰い、自分のご飯はあげない意地悪な涼音であった。




