表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

545/930

涼香の誕生日会にて 18

 服飾部との入れ替わりで、教室に入って来たのはバスケ部の面々だ。


「バスケ部からは――」


 その場の、モニター越しの全員が固唾を呑んだ。


 なにが来るのか。王道か、斜め上か、それとも涼音(すずね)か。


「ギ……ギフト券……」

「「「「「「「「「「………………」」」」」」」」」」


 スっと出された物に一同は黙り込む。


 まさかの金券。なににでも変わるという点ではプレゼントに最高だと思うが、このタイミング、この流れで金券だ。


「……なるほど。意図は伝わっているわよ」

「そうですね、あたしも解ります」


 涼香(りょうか)と涼音も、金券は嬉しい。ただ――。


「………………タイミングが……」


 若菜(わかな)のその一言を皮切りに、バスケ部全員が俯く。


「本当はね、これで涼音ちゃんとどこへでも行けるぜ! って言いたかったんだけど、服飾部がさあ……」

「若菜……」


 紗里(さり)も気の毒そうに見ている。


 金券を渡し、誰もが、その手があったか‼ となるはずだった。


 しかし、服飾部によるドレスというとんでもないプレゼントが、バスケ部の策略を木っ端微塵に粉砕した。


「四百二十点ね。面白いわよ」


 ほぼ満点。満点が出たため、霞んでいるがほぼ満点である。


「そうね、なににでも使えるという点はいいと思うわ。涼音となにに使おうか悩む時間も楽しいし。……面白いわ」

「…………二回も言わないで」

「続いては家庭科部」


 もう見ていられない紗里が強引に進める。幸いにも、次はここねが部長の家庭科部だ。


 ずるずると入れ替わったバスケ部とここねと、なぜかいる菜々美(ななみ)


「……どうして菜々美がいるのよ」

「ここねのプレゼントは渡さないわ‼」

「家庭科部からは、お腹いっぱいかもしれないけどクッキーだよ」

「ここね⁉」


 恐ろしいものを見たような表情をする菜々美であった。


 その頃、教室から出たバスケ部は、最後の大会で負けた時よりも悔しがっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ