表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

530/930

涼香の誕生日会にて 3

 名前順に『三年生全員による感謝の言葉』は進み、今はた行だ。


 まだ半分もいっていないが、中だるみした様子は無い。そして、次は(あや)に続いて意外な人物――津村真奈(つむらまな)だった。


水原(みずはら)には数えきれない憎悪を憎しみを恨みを持っている。感謝することは無い――と言いたい。本当に言いたい。だけど、あの時、凜空(りく)を助けてくれたことは不本意ながら、本当に嫌だけど、仕方なく、凜空が無事だったから、感謝する。だけど凜空には触れるな、凜空を助けた時、凜空に触れてその手、凜空の肌に触れたその手、切り落としてやる、あと同じ空気を吸うな。保健室は凜空のための場所、そこに足を踏み入れるな。足さえ無ければ足を踏み入れることなんてできない。そうだ、そうしよう。

 いや違う、それは今じゃない。凜空が一番、それが大前提、凜空を困らせるのなら容赦しない。ただでさえ水原のやらかしを凜空が責任を取っている。……やっぱりおかしい、水原が存在しなければ凜空が責任を取ることなんてないのに。そうか、簡単なことだったんだ……。

 違う。それはまた今度。

 ……………………………………凜空が以前、水原のおかげで学校が楽しい的なことを言っていた。それは誇ってもいい。だから、水原の存在はマイナスが殆どだけど、プラスの面もあるということ。

 だから、素粒子よりも小さな感謝を』


 真奈の言葉が終わる。殆どが物騒なことだったが、いつも通りのため、誰も気にしていない。


「嬉しいことを言ってくれるではないの」

「嬉しい要素素粒子よりも小さいんですよ⁉」

「でも待ちなさい。素粒子はこの世で一番小さい物、それよりも小さい物は存在しない。……感謝は存在していないではないの‼」

「ああもう、中途半端に賢くなるから」

「別にいいけれど」

「いいんですか……」

「感謝は強要するものではないのよ」


 まともなことを言う涼香(りょうか)である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ