夏休みにて 42
いよいよ明日は涼香の誕生日だ。
そして涼音の部屋では今、涼香の誕生日前夜祭が開催されていた。
「明日は私の誕生日ね」
「そですね。あたしは早めに行きますけど。先輩は後から来ます?」
涼音は速く学校へ行き、先に家庭科室でここね達とケーキを作るつもりなのだ。
「一緒に行くに決まっているではないの‼」
「ですよね」
涼音も、極力涼香一人で電車に乗せたくないと思っているため、涼香がそう言ってくれてよかった。
ケーキの材料はケーキ係それぞれで持ち寄る予定だ。参加人数が多いため、かなりの数を作らなければならない。といっても、それほど手の込んだケーキは涼香一人分だけで、あとは簡単に作れるケーキで済ます予定だ。
とりあえずパンっ、とクラッカーを発射した涼香。『明日の主役』と書かれたタスキをかけている。
「じゃあ明日、七時起きでお願いします」
「任せなさい!」
涼香の誕生日会の開催は十一時からだ。他の三年生達は、その時間に間に合うように来るらしい。
夏休み最後のイベント。家に帰っても涼香の誕生日をお祝いするのだが、それとは別で少し楽しみでもある涼音であった。




