盆休みにて 11
「今日のお昼ご飯はなに?」
「流しそうめんよ」
「どうしてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
「仕方ないでしょう? おじいちゃんがやりたがっているのだし」
「それは仕方ないけど!」
「安心しなさい、竹を使った本格的なやつよ」
「そうめんには変わりないではないの!」
昨日の昼食はそうめんでなかったことで、さすがに帰省中はそうめんではないのね、なんて思っていた涼香。
そんなことを思っていたあなたの姿お笑いだったわよ、とでも言いたげな母が廊下に吸水シートを敷いている。
流しそうめんをするのは家の中、床に水が落ちても大丈夫なようにする処置だ。
「いいから手伝いなさい。そこの竹を三ミリ上げて」
「回転寿司の可能性もあるから、傾斜はつけなくてもいいではないの?」
「そうめんよ。つけなさい」
一縷の望みをかけて言ったが、竹のように割られてしまった。
「その角度で加速させれば、まあいい感じに走ってジェットコースター並の一回転させることができるのよ」
母の指示を受けて細かな調整をしていく。また今度学校で作ってみようかしら、と半ば投げやりに考える涼香であった。




