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盆休みにて 9
「涼音ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」
「うるさいわね、昨日電話したでしょう?」
翌朝、いきなり涼音ロスに陥った涼香が唸り声を上げる。
今日も今日とて暇である。
後ほど、祖母、母と三代で花札をする予定だが、いまいちルールを覚えられない。
今日一日泊まり、明日はそのまま父方の祖父母宅に向かう。まだまだ涼音には会えない。
「電話しかできなかったのよ⁉ その時は満たされるわだけど! 一度満たされたらその反動が大きいのよ……」
「我慢しなさい頬を膨らましても無駄よ。ほら、花札のルールを教えてあげるわ。おばあちゃんを倒すために作戦を立てましょう」
「それならおじいちゃんと遊びたいわ」
「外でお父さんと蝉の真似をしているわ」
「……それはもうやったのよ」
額を抑える涼香である。




