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盆休みにて
世の中の多くの人は盆休みに帰省する。
涼香や涼音の家もその中の一つだ。
「あああああああああ……涼音がいないではないのぉぉぉぉぉぉぉ‼」
涼香の帰省先は母の実家だ。水原家から車で四十分程走らせた先にある。少し前に建て直しをしており、かつて二階建てだった家は、今は平屋建てに変わっている。
そんな祖父母の家の一室、涼香が泊まる部屋で、涼香はベッドに入り込んでもぎゃっていた。
そんな涼香を冷ややかな目で見ているのは涼香の母だ。
「仕方ないでしょう。涼音ちゃんの家とこの家は関わりが無いのよ」
「知っているけど、涼音に会いたいのよ」
「今朝別れたばかりでしょう。早過ぎよ」
「涼音が可愛いのがいけないわね。ところでお父さんは?」
ひょっこり布団から頭を出した涼香が母に問いかける。
「アレなら改造した車椅子におじいちゃんを乗せてドリフトを決めに行ったわ」
それが原因で車椅子生活にならなければいいのだが。
「困った親ね」
「あなたの親よ」
髪の毛を払う涼香であった。




