表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

495/930

檜山家にて 11

「「ご飯はなーに!」」


 勢いよく、二人同時にドアを開ける。


 檜山(ひやま)家にはもう誰もおらず、今は涼香(りょうか)涼音(すずね)の二人だけ。


 用意されているご飯はなんなのだと、ようやく確認する気になった二人は、リビングへとやって来たのだ。


「「………………」」


 無言で見つめる先、水原(みずはら)家のレイアウトと殆ど変わらない檜山家のリビング。


 そのリビングに鎮座しているリビングテーブルの上に、それは置かれていた。


「茶色いわね」

「茶色いですね」

「「…………………………」」


 茶色い食べ物――ということは、それはそうめんではない。


 涼香と涼音は無言で盛大なハイタッチをする。


「よかったわ」

「よかったです」


 涙ぐみながら、二人は喜びを露わにした。


「中身がそうめんだったらどうしましょう」

「言わないでください」


 とりあえず、お腹が空いている二人は座って食べることにする。箸と小さい皿を出して

から座った二人は、向かい合って手を合わせる。


  揚げ物の見た目はコロッケやメンチカツと変わらないもの。しかし見た目で判断はできない。


 恐る恐る揚げ物を取り口に運ぶ。


 ほのかに温かみの残っている揚げ物、噛めばサクッと音がなり、肉の香りが広がる。


 同時に食べた二人は、同時に目を見開く。


「そうめんではないわ‼」

「メンチカツですね‼」


 口に広がる肉の味、紛うことなきメンチカツ。そうめんが入る余地は無い。


 二人は数日ぶりに食べ物にありつけた遭難者のように、夢中でメンチカツを食べるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ