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涼音の部屋にて 24
「さて、そろそろお休みの時がきたようね」
時刻は午前9時、お休みというか、おはようでも通じる時間だ。
「もったいない気がしますね」
大半の人々が活動を開始する時間に眠る。昼寝ではなく、がっつり睡眠だ。
規則正しく生活している人と、昼夜逆転している二人、活動時間は変わらない筈なのにもったいない気がしてならないのだ。
「迷いを捨てるのよ」
「こういうこと考えるのも、眠たいからかもしれませんね」
あくびをしながら、涼音は素直に眠る準備をする。
外は明るいが、カーテンを閉めればある程度はマシになるだろう。布団に潜り込み、タオルケットに巻かれる。
「涼音、私も布団が欲しいわ」
「えー」
「意地悪ね」
「冗談ですよ」
隣で頬を膨らませる涼香に、タオルケットをかけてあげる涼音であった。




