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ベッドの上にて 10
「よく寝たわ」
「もうこんな時間……」
たっぷり睡眠を取った二人が起き上がる。時刻はもう午後だ。
「スッキリしたわ」
「一日無駄にした気分……」
清々しい朝を迎えたかのような態度をとる涼香に対して、涼音の表情は浮かない。
「今日も良い一日になりそうね!」
「なんでそんなにポジティブなんですか……」
半日を無駄にしたのに、なぜ涼香のテンションはいつも通りなのか。
涼音の問いかけに涼香が答える。
「この生活を繰り返せば、そのうち一周回って元の生活時間に戻るのよ」
「あっ、確かに」
涼香の言う通り、家の中にいるのであれば、無理して夜に眠らなくても問題無い。
昼に起きて、床に就く時間はいつも通りにせず、朝にする。そして起きるのは夕方前、という風に少しづつ時間をずらせば、一周回るということだ。
「さすが先輩!」
「そうでしょう!」




