表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

471/930

水原家にて 36

「ということで、お小遣いは無しね」

「「そんなあ⁉」」


 涼香(りょうか)涼音(すずね)は、恐ろしいものを見たような表情で涼香の母を見る。


「当然じゃないの。二人とも不正解だし」

「あたし正解してたじゃん!」

「でも涼香の答えを選んだでしょう? それじゃダメよ」


 涼音は頬を膨らませるが、涼香の母には聞かなかった。


「涼音には渡していいのではないの? 私も分かっていたけど、涼音は正解したではないの。私も分かっていたけど」

「涼音ちゃんに渡したら、あなた文句言うでしょ?」

「当然よ‼」


 そこで会話は終わったのだが、涼香の母はまだなにかありそうな様子で座っている。


 なぜ片付けもせずにそのまま座っているのか、なにかに気づいた涼香が手を挙げる。


「はい涼香」


 母が涼香を当てる。


 名前を呼ばれた涼香が得意気な顔を浮かべる。


「お小遣いは貰うわ!」


 それはどうして? と目で続きを促す母。


「片付けはしたからよ!」


 いつものお小遣い探しの流れは、汚れている部屋の掃除をしながらお小遣いを探すというものだ。今回は汚れてはいなかったが、災害食の入れ替えという片付けをやって見つけたのだ。中身丸ごとはダメでも、お手伝い代を貰ってもいいではないのかと。


「それなら、最低賃金を探した時間で割った額を渡せばいいのね」

「最低賃金っていくらよ‼」

「千円ぐらいじゃないんですか」


 涼音の言葉に、またまた恐ろしいものを見たような表情を浮かべる涼香。


「危うく嵌められるところだったわ……‼」


 そんな涼香を放って涼音は言う。


「じゃんけんしようよ」


 涼音だってお小遣いが欲しいのだ。だから易々と引く訳にはいかない。


「そうくるのね」


 なにが、そうくるのね、なのかよく分からない涼音であったが、あの涼香の母なのだ。よく分からなくても別に問題無い。


「いいわよ。じゃんけんで私に勝つことができたのなら、このお小遣いはあなた達にあげる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ