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ここねの部屋にて 2
すぐに戻って来たここねと菜々美、カメラの入った鞄をゆっくりと部屋の真ん中に置いてから言う。
「若菜ちゃんはなにしてるの……?」
部屋の隅っこでダンゴムシのように丸まっている若菜を見て、かなり困惑しながら言葉をかける。
「地震がきたわけじゃないわよね?」
「……緊張のあまりこうなったみたいですよ」
「「えぇ……」」
二人の声が揃う。
「私でも、ここまで緊張はしなかったわ」
菜々美の場合は、緊張のあまり頭から煙が出て機能停止していただけだ。
「若菜、これからカメラを試しに使ってみるわよ」
菜々美が若菜を揺するがさすがバスケ部、強靭な体幹を持っており、全く揺れない。
「……今はそっとしておきましょうか?」
「そうだね。若菜ちゃん、もう少し緊張がマシになったらこっちに来てね」
若菜が戻るまでの間、三人でカメラを試しに使って見ようと決める。
「じゃあ涼音ちゃんにも教えるね」
「お願いします」




