表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

442/930

車の中にて 11

 めいなからカメラを借りた一行は、車に乗って出発した。


「無事に帰ることができてよかったわ……」


 相変わらず前方を睨みつけながら、菜々美(ななみ)は安堵の息を吐く。


 今日、涼音(すずね)若菜(わかな)を誘った理由の中に、めいなの下へ行くからだというものがある。まさか家に上がることになるなんて思いもしなかったが。


「この後どうするの?」


 後ろから若菜が聞く。借りた機材はどこへ持っていくのか。学校に置いておくには早すぎるし、これだけのために呼ばれたとは考えにくい。


「ここねの家に向かうわ」

「ここねの家……なんだかんだで初めてだ」

「あたしらも入っていいんですか?」

「大丈夫だよお、お父さんとお母さんはいるけど」

「あっ、そうなんですか」


 そういうことではないのだが、いいというのなら別にいい。


「えっ⁉ ここねのお父さんとお母さんいるの⁉」

「うん、いるよ! 二人共菜々美ちゃんに会いたがっていたよ」

「えぇ……」


 菜々美は聞いていなかったらしく、少し車の進む速度が遅くなった気がする。


 土曜日なら、家に親がいるという可能性は高い。


「やっぱり、なんか緊張するね」


 部活など、外で同級生の親と接する機会はあっても、同級生の家で会ったことの無い若菜だ。涼香の母や、紗里の両親には慣れているが、それ以外となるとどうも緊張してしまう。


「あたしは他人の家でその人の親に会うこと自体初めてですね」


 涼音に至っては、涼香の親以外に会うことが無い。


「緊張しないの?」

「特にしませんね」

「凄い……」


 涼香がいればそれでいいと思っている節がある涼音にとって、他人の親に会うということは、割とどうでもよかったりするのだ。


「でもまあ、他人の家に行くこと事態には緊張はありますけどね」

「じゃあ半分仲間だあ!」


 涼音に抱き着こうとして、シートベルトに阻止される若菜であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ