表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

418/930

屋内型複合レジャー施設にて 23

 涼香(りょうか)はボールを持とうとして、腕に力が入らないことに気づいた。


「……力が入らないわ」


 それもそうだろう。普通に投球するならまだしも、涼香の場合、ボールが飛んでいったり、飛んでいかなかったりで、変に力が加わってしまうのだ。既に腕が筋肉痛になっている。


「大丈夫?」


 なかなかボールを持たない涼香に、若菜(わかな)が声をかける。


「もう……私はダメみたい……」

「そんな⁉ 諦めないで!」


 沈痛な面持ちで、項垂れて頭を振る涼香に若菜がそれっぽい雰囲気で詰め寄る。


「……そうね、たとえこの腕を犠牲にしてでも、私はやらなければならないわ……‼」

「ごめんなさい……、あなたばかりに無理をさせて」


 こうするしかないのだと、自責の念に駆られながら若菜が拳を握りしめる。


「飽きたわ。――どうしましょう、筋肉痛がすごくてボールを持てないのよ」

「まあ……そうなるよね」


 痛めたならまだしも、筋肉痛はどうしようも無い気がする。


「両手で抱えるしか無いっぽいね」

「あと少しで終わるというのに!」


 どうせなら、最後まで片手で乗り越えたかった。しかしそうは言ってられない。両手でボールを抱えた涼香は、レーンにボールを投げる。


 コロコロ転がったボールは横に逸れ、なんとか端っこのピンを倒すのみ。


 この動きなら、ドジのしようが無い。少し安心した若菜と、(ゆず)である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ