表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

411/930

屋内型複合レジャー施設にて 17

 涼香(りょうか)の一投目は――。


 まず、ボールを投げようと腕を後ろに振る、案の定指からボールが滑ってしまう。そんな滑ったボールはどこへ向かうのかといえば、真後ろ、若菜(わかな)(ゆず)紗里(さり)がいる場所だ。


 弧を描いて約四キロのボールが飛んでくるのだ、普段なら叫ぶのだが、今は状況的に叫ぶことができない。若菜と柚は歯を食いしばる。


 そして、そのボールが誰に向かったのか――。


(PKよりヤバい‼)


 柚だった。


 弧を描くようにゆっくり落下してくるボウリングのボール。下手に受けてしまうと骨が折れてしまう可能性がある。


 気をつけて、身体のクッションを使ってなんとか受け止める。


 どっと汗をかく。


 しかし安堵するにはまだ早い。涼香の第一投目、他のレーンでは、ちょうどピンが倒れたところだ。


 柚はそのまま涼香に渡さず、離れた位置からレーンに向かってボールを投げる。


 振り向きかけた涼香の脇をすり抜けたボールは、そのままピンを跳ね飛ばす。


「おおー! めっちゃ倒したじゃん!」


 すかさず若菜が拍手。


「不思議な力が目覚めてしまったのかしら?」


 涼香は自分の右手を見つめながら、今しがた感じた手の感覚に首を捻る。


 ボールを投げた感触は無かったのだが、時間差でボールが飛んでいき、ピンを跳ね飛ばした。


 物凄く筋力が強化されてしまい、ボールの重さを感じないようになったのか、それとも念動力辺りを使えるようになってしまったのか。


「涼香ちゃんは投げていたわよ?」


 紗里がそんな涼香に事実(嘘)を言う。


「委員長がそういうのならそうなのかしらね。なるほど、私の秘めたる力が覚醒してしまったようね」


 そして、残ったニピンを倒すためにボールを投げる。当然ガターだった。


「力が……消えている⁉」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ