屋内型複合レジャー施設にて 6
「コインが無くなったわ!」
なぜかコインが増えていく涼音と、増えたり減ったりを繰り返し、緩やかに減っていく彩と夏美そして、溶けるように無くなった涼香。
いつものことだ。涼音は黙って涼香のカップにコインを入れる。
「甘やかしすぎじゃない?」
そんな涼音に彩が言ってみる。
「まあコインですから。いります?」
「いやいい」
そう言って彩は夏美の下へ行き、自分のコインを少し分けていた。
「無くなったわ」
その隙に、貰ったコインを全て溶かした涼香である。
「早くないですか⁉」
そう言いつつもコインを入れてあげる涼音。
コインの量が少なくなってきた。本格的に増やすべきか、このまま終わりにするか。
「まだ遊びます?」
「そろそろコインゲーム以外をしたいわね」
コインゲーム以外にも、クレーンゲームもあるし、カラオケやボーリングもある。
ボーリングは絶対嫌だが、カラオケなら別にいい。
「カラオケ行きます?」
「それはダメ‼」
なぜか力強く即答されてしまった。
冗談で言ったつもりなのだが、なぜそこまで力強く言われなければならないのか。
頬を膨らませる涼音であった。




