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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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屋内型複合レジャー施設にて 4

「という訳で、連れてきたわよ!」

「「最悪……」」

檜山(ひやま)さーん!」


 言っていた通り、涼香(りょうか)(あや)夏美(なつみ)を連れてきた。


 涼音(すずね)は近づいてくる夏美から距離をとる。


 今、この場には二種類の人間がいた。


 一つは涼香と夏美――せっかくなんだしみんなで遊ぼう! とでも言いたげな顔をしている種の人間。


 もう一つは涼音と彩――うっざ、早く帰りたいなあ……。と思っている顔をしている種の人間だ。


「「帰りたい……」」


 思っているだけでなく、声に出ていた。


 言っても、帰れるはずもない。それは二人とも分かっている。


 だから口では嫌々言っていても、一緒に遊ぶしかないのだ。


 大きなため息をついた涼音が言う。


「メダルあげます」


 そして、大きなため息をついた彩が言う。


「ありがと」


 そして二人同時にため息をつくのだった。

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