表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

378/929

涼音の部屋にて 16

 短パンとシャツを着た涼音(すずね)が、ペットボトルに入った水を飲みながら部屋へと戻って来た。


 やはり落ち着く、冷房の効いた部屋。


「あら残念、髪は乾かしてきたのね」


 ベッドに腰をかけていた涼香(りょうか)が言う。


「もーう、疲れましたからねえ」


 その涼香の脚に頭を置いて寝そべる。ベッドの縁、ギリギリを攻めている。


「お疲れ様。どう? 疲れた以外の感想は?」


 シャンプーの香りをふわりと広げながら、涼香が目を閉じる涼音に問いかける。


 鬱陶しそうに涼香の手を払いのけた涼音。


「暑い」

「夏は暑いものよ」

「むうぅ……」


 唸った涼音が起き上がり、涼香が勉強机の上に置いたポシェットとペットボトルを入れ替える。


 ポシェットから取り出したのは、雑貨屋の小さな紙袋だ。


「はい」


 目の前に差し出された紙袋に目を見開いた涼香。


 紛れもない、涼音からの贈り物だ。


「まだ誕生日ではないわよ」

「なんでもない日の贈り物ですよ」


 涼香の隣に座って身体を預ける。


 少しだけ困ったように笑った涼香が、受け取った紙袋を開ける。


「あら、これは――シュシュではないの」


 袋から出てきたのは、綺麗なエメラルドグリーンのシュシュだった。


「綺麗な海みたいね」

「どうですか? つけてあげましょうか?」

「ええ、明日ね」


 その言葉に、頬を膨らませる涼音であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ