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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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344/929

水原家の玄関にて 2

 涼音(すずね)が帰ってきたのは十五時頃、家まで送ってもらおうかと思ったが、なぜか涼香(りょうか)に会いに行った方がいい気がして、水原(みずはら)家の前で下ろしてもらった。


 菜々美達に礼を言って車を降りて、水原家の玄関を開ける。


「ただいまー」

「寿限無寿限無五劫のすりきれ海砂利水魚の水行末雲来末風来末――」

「えぇ……」


 なぜか寿限無を唱えている涼香が出迎える。涼音が困惑していると、後ろから涼香の母がやってきた。


「おかえりなさい」

「ただいま。先輩どうしたの……?」

「知識が抜けないように、寿限無で蓋をしているのよ」

「うん意味分かんない」


 いまいち涼香の母が言っていることを理解できない涼音。その様子を見た母が、寿限無を唱え終えた涼香をリビングへ戻しながら言う。


「寿限無って長いでしょう?」

「うん」


 寿限無といえば、小学生の時に授業で暗記した記憶がある。確かにあれは長かった。今でも暗唱できる程、印象的な名前だ。


「だから蓋をするにはぴったりなのよ」

「うん意味分かんない」


 なにが、だから――なのだろうか?


「まだまだね。早く上がりなさい、ここは暑いわ」


 髪を払った涼香の母がリビングへ引っ込む。


 やっぱりこの二人は親子だなと、呆れた涼音は、汗をかく前に靴を脱いで――。


「あ、先に手洗いとうがいよ」


 洗面場へ向かうのだった。

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