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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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322/929

水原家にて 7

涼音(すずね)、これは……緊急事態よ……‼」


 夏休みのこと、冷凍庫を覗き込んだ涼香(りょうか)が唇を噛みしめる。


 面倒くさそうにやって来た涼音も、冷凍庫の中を見た瞬間に眉根を寄せる。


「確かに……これは緊急事態ですね」


 開けっ放しも良くない。涼香は冷凍庫を閉めると涼音を見る。


 互いに頷き合った二人、言葉にしなくても伝わる。


 だけど不安だから言ってみる。


「アイスが無いわ」

「ですね」


 同じことを考えていたようだ。


 ほっと安心した涼香は髪の毛を払う。


 それならば、次はどうするべきかも伝わるはずである。


「買いに行くわよ!」

「なんでですか」

「どうしてよ!」


 その場にがっくりと手をついた涼香である。


「暑いじゃないですか」


 だから行きたくないと、しかしそんな時、涼香のスマホがメッセージを受信する。


 誰からかと、メッセージを確認する涼香。


「あら、お母さんからね」

「まさか……」


 真夏の真っ昼間である。恐らく会社の休憩時間だろう。


 そして、このタイミングでのメッセージは決まっている。


「買い物の指令よ」

「うわああああ!」


 がっくりと手をついた涼音である。


「安心しなさい、作戦開始時刻は夕方にしたわ」


 そう言う涼香の、床に置いてあるスマホを見る。


『暑いから夕方に行くわ』

『溶けないように気をつけて』


 そんなメッセージのやり取りがあった。


 汗びしゃになる心構えをしなければならない。


 家に帰りたくなる涼音であった。

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