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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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320/929

ベッドの上にて 5

涼音(すずね)が一人……、涼音が二人……、涼音が三人……」


 夏休みの夜のこと。昼間全く動いていないため、眠れない涼香(りょうか)は涼音を数えていた。


「涼音が四人……、涼音が五人……。ふふっ、涼音がいっぱいね」


 五人の涼音に嬉しさが溢れ出た時、隣から、冷房の風が直接かかっているのではないかと、勘違いしてしまう程の冷たい声がかかってきた。


「ねえ先輩……?」

「あら、起きていたのね」

「いや起きたんですよ、うるさいんで」


 隣でもぞもぞ動く音がする。


「眠れないのよ」

「でしょうね。だって先輩今日は一日中ぐーたらしてましたもん」


 そう言った涼音が大きく欠伸をする。


「涼音はどうして眠れるの? 一緒にぐーたらしていたではないの」


 夏休みはほとんど一緒にいたはずだ。涼香がぐーたらしていたのなら、涼音もぐーたらしているはずなのだが。


「頭使ってるからですかね」

「なるほど、私タイプね」

「寝ていいですか?」

「ええ、おやすみなさい」


 するとすぐ隣で涼音が寝息を立て始める。


 今度は涼音を起こさないように、小さな声で――。


「涼音が九千九百九十八、涼音が九千九百九十九、涼音が一万‼」


 起き上がった涼香が叫ぶ。


「涼音がいっぱいよ‼」

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