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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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292/929

水族館の入り口にて 2

「ちょっ、待ちましょう先輩‼」


 水族館へ入る前に涼香(りょうか)を捕まえることができた涼音(すずね)


「違うのよ! 身体が勝手に‼」


 涼音に手を繋がれながらも中へ入って行こうとする涼香。


「えぇ……」


 その細い体のどこにそんな力があるのだろうか。涼音をずりずり引きずって入館してしまう。


 外でいても暑いし別にいいかと思った涼音は入館こそしたが、入ったばっかりにあるロッカーなどがある場所で菜々美(ななみ)達が来るのを待つ。


「待ってくださいね」

「分かっているわよ。だから手を離しなさい」

「無理です」

「意地悪」


 頬を膨らます涼香であったが涼音はスルーして菜々美とここねを待つ。


 するとようやく菜々美とここねが中に入ってきた。


「ごめんね、涼香ちゃん」


 頭を下げるここねは四人の中で一番汗をかいている。


「そういえばここねは暑さに弱かったわね」

「完全に私の想定ミスよ……」


 そう言いながら菜々美はトートバッグからスポーツドリンクを取り出してここねに渡す。


「……ううん。菜々美ちゃんは悪くないよ、菜々美ちゃんに甘えてばっかりのわたしが悪いの」


 スポーツドリンクを一口飲んだここねが菜々美に笑顔を向ける。


「ここね……」


 少し甘い雰囲気になってきたところで涼香が水を差す。


「先に行ってもいいかしら?」

「あああああっ‼」

「うん。わたしもう少し休んでから行くね。涼音ちゃんも、待ってもらっていたのにごめんね」

「ということよ! 行くわよ!」

「分かりました――よぉ⁉」


 ここねの許可が下りるや否や、涼香は涼音の手を引っ張って展示へ向かう。


 微笑んだここねが力なく手を振ってくれるが、涼音はそれに振り返す間も無く、菜々美とここねと分かれることになるのだった。

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