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夏休みにて 13
涼音が昼食を片付け終わるタイミングを見計らって――。
「お昼寝をするわよ」
今日早起きをした涼香が涼音を誘う。
「おやすみなさい」
「なにを言っているのよ、涼音も一緒に寝るのよ」
しかしつれない態度の涼音である。
「勝手に寝たらいいじゃないですか」
頬を膨らませた涼香が涼音を睨みつける。
「涼音と寝たいのよ」
「そんな子供みたいに」
「まだ子供よ!」
「えぇ……」
心底面倒そうに顔を顰める涼音。
「いいではないの。一緒にお昼寝しましょう?」
そんなこと知ったこっちゃないと言った様子で涼音の手を軽く引く涼香。
お菓子をねだる子供のようだ。
「もー……。先に寝ててください」
涼音がそう言うと、涼香は顔を輝かす。そしてステップを踏むようにソファに移動する。
――そして、少ししてから涼音もソファへやって来る。
「ふふっ……すずね……それはじゃがバターよ……」
「どんな夢見てるんですか……」
涼香の身体が冷えないように、タオルケットを持って来てかけてあげる涼音であった。




