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補習にて 6
真面目にボケることなく、黙々と勉強をしていた涼香と理子のサポートをしていた彩が、そろそろかと時計に目を向けた。
「あ、もう時間か。じゃああたし戻るから。まあ……頑張れば?」
そそくさと片付けをしながら、彩は二人に言った。
「ありがとう綾瀬彩、助かったわ」
「ありがと綾瀬、なんかいけそうな気がする」
そうして彩が教室から出ていこうとすると――。
「あ、ちょっと待ちなさい。やり直してもいいかしら?」
涼香が後ろから声をかける。
立ち止まった彩は、仕方なく振り向いてあげた。
このまま帰ってもいいのだが、まあ仕方なく振り向いてあげることにした。
「はぁ? なにを?」
「サンキューベリーマッチ、よ」
「中学生か!」
勢いよくドアを閉める彩であった。




