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補習にて 4
「綾瀬彩!」
「なに?」
「単語が分からないわ!」
「暗記しろよ……」
今日の小テストは英語だった。
涼香と理子は彩の助けを受け、テストに出るであろう、基礎的な問題に取り組んでいた。
「ねえ綾瀬」
「なに?」
「be動詞ってなに?」
「そこから⁉ てかそこテストで出ないでしょ!」
しかし涼香と理子の英語力は、よくこの学校に入れたな、と言いたくなるレベル。
「なんでこの学校入れたの? 別にうちって進学校じゃないけどさ!」
言ってしまった彩である。そして言ってしまってからしまったと思う彩。
「あら失礼ね。私だって全ての教科が赤点という訳ではないわよ! 英語と数学が特に苦手なのよ!」
「わたしは国語以外ダメ」
案の定どうでもいい話が始まってしまう。
「あーごめんごめん。あたしが悪かったごめんごめん。早く勉強しようか!」
だから慌てて軌道修正する彩であった。




