表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/928

補習にて 3

 結局、涼香(りょうか)理子(りこ)が真面目に席へ着いたのは十時頃だった。


「マジで……うっざい……」


 三十分近くボケ倒された(あや)は、もう息も絶え絶え。やっぱ帰るべきだったと後悔していた。


「時間が無いわ、早く始めましょう」


 意気揚揚と始める準備をする涼香に、彩はもう突っ込まないぞと、心を無にして答える。


「あ、うん。まず範囲教えて」

「えー、そこからぁ?」


 しかし理子の言葉で、無になりかけていた彩の心に再び火がついた。


「あんたらが真面目にやんないからこうなってんだよ!」


 正論の真っ正面豪速球が涼香と理子に直撃。


「そうね……やりすぎたと思うわ。ごめんなさい」

「調子に乗りました……、ごめんなさい」

「じゃあさっさと教えろ」


 彩は、またどうせすぐボケるんだろ? と思ったため、ボケる隙を与えないような対応をする。


「基本的には期末テストの範囲よ」

「範囲は期末だけど、内容は結構簡単、問題数も少ない」

「これがそのテストよ」


 料理番組のような流れで、違う日にやった小テストを彩に渡す涼香。

 眉をひそめた彩はそれを受け取る。


「なんか、問一ばっかの小テスト。応用は捨てて基礎の確認って感じか」


 小テストを確認した彩が分析を始める。


「定期テストもこんな感じだったらいいのに、と思うのよ」


 涼香の言葉に、彩は小テストを返しながら答える。


「それじゃあテストの意味無いだろ」

「はーい綾瀬(あやせ)せんせーい。テストの意味ってなんですか?」


 すると今度は理子が手を挙げる。

 理子の問い掛けに彩は答える。


「授業でやったことの確認。ちゃんとそれを理解出来ているかどうか。知らないけど」

「おおー、賢い人だ」

「さすが彩ね」

「あーはいはい。じゃあ始めるから……って教科書持ってんの?」

「後ろのロッカーにあるわ!」

「机の中に常備!」


 綺麗なウインクをする涼香とサムズアップする理子。


「そりゃよかった」


 梅雨の湿度の目で答える彩だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ