夏休みにて 3
『先輩の誕生日にお返ししたいんですけど、春田先輩達三年生って予定空いてますか?』
夏休みのある日、涼音は涼香と同じクラスの春田若菜に連絡を取っていた。
若菜達三年生は受験生のため、あまりこういうことを連絡するのは良くないのではと考えた涼音であったが、大切なのは勢いである。無理ならばそれはそれで仕方がない。思い切って連絡してみた。
『一日ぐらいなら大丈夫だと思うよ、うちって進学校でも何でもないし』
『ありがとうございます』
『全然おっけー。どこでするの? 学校?』
『そうですね、学校が無難かと。夏休みなのに先輩しょっちゅう学校行ってるんで』
『涼香大丈夫なの? 浪人? 就職?』
『なんとかなると思いますよ、先輩ですし』
『涼音ちゃんがそう言うのならまあ……大丈夫か』
そんなメッセージのやり取りをする涼音。
受験生の夏休みは重要だとよく聞くが、若菜が大丈夫というのなら大丈夫なのだろう。遠慮なく頼らせてもらう。
『私が他の子に声かけとくね。また今度プレゼント買いに行こっか』
『ありがとうございます。あたしはいつでも大丈夫なので、いける日をまた教えてください』
『りょーかい』
これにて会話は終了。
そして涼音は、涼香に渡す誕生日プレゼントを考えるのだった。




