213/929
水原家にて
涼香が補習のため学校に行っている中、涼音は冷房の効いたリビングで、優雅に紅茶を飲んでいた。
涼音にとって、涼香の家は涼音の家でもある。涼香にとっても、涼音の家は涼香の家でもある。
だから水原家の人間が誰一人いない水原家でも、涼音は呑気に冷房をつけて優雅に紅茶を飲んでいるのだ。
「昼ごはん……かあ……」
昼食は何にしようかと、とりあえず考えながら涼音はテレビをつける。
平日の朝、普段は学校に行っている時間。なんてことない番組であっても、少しワクワクしてしまう。
「カップ麺でいいか!」
そんな少し特別な時間。涼音は余計な考えを放棄するのだった。




