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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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207/928

終業式後の涼音の部屋にて

 終業式が終わり、家に帰って来た涼香(りょうか)涼音(すずね)


「スマホは画面が小さいんで見るのやめましょうよ」


 涼音の部屋にやってきた涼香は、涼音を後ろから抱きしめる形でスマホでホラー映画を再生しようとする。


 自分の部屋だし、涼香に捕まえられているしで、逃げることのできない涼音は努めて冷静に言う。


「いいではないの。画面が小さい方が怖さは半減よ。知らないけど」

「えぇ……」


 涼香は問答無用でホラー映画を再生する。


 別に見ている最中は、涼香と一緒だから怖くないのだが、見終えた後、一人でトイレに行く時とかがめっちゃ怖い。マジ怖い。


「あー、あたしトイレに行ってきますねー」


 だから涼音は嘘をついてトイレに避難しようとする。


「行ってらっしゃい」

「え?」


 いつもなら、嘘だと分かっている涼香はトイレに行かせてくれないのだが、なぜか今日の涼香は見逃してくれた。


 涼音は戸惑いながらも涼香の拘束から脱出し、とりあえずトイレへと向かうのだった。

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