表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

205/930

夜景スポットにて

 夜景を見に行こうと、菜々美(ななみ)の運転で夜景スポットにやって来た涼香(りょうか)涼音(すずね)、ここねの三人を乗せた車は、遂に夜景スポットへと辿り着いた。


「着いた……。着いたぁ!」

「お疲れ様、菜々美ちゃん」


 額の汗を拭った菜々美が、目を潤ませながらここねの方を見る。


「私頑張ったよ!」

「うん。ありがとう!」


 満面の笑み(可愛い)を浮かべたここねが、菜々美の頭に手を伸ばそうとするが、菜々美はそれを反射的に避けてしまう。


 まだ車内には涼香と涼音がいる。頭を撫でられるところを見られてしまうと爆発してしまう。


「さて、夜景を見に行きましょうか」

「あたし生で夜景見るのなんやかんやで初めてかもしれません」

「ということは私も初めてよ!」


 そんな会話をしながら涼香と涼音は車を降りる。


 菜々美とここねも、それに続いて車から降りる。鍵を閉めて夜景の見える場所まで移動する。


 夜景スポットには、四人以外にも夜景を見に来ているグループが数組。いずれもカップルか友達同士だろう。


「見なさい涼音! 夜景よ!」

「そうですねー」

「もっと感動しなさい」

「わぁ! すっごく綺麗ですぅ!」


 眼下に広がる地上の星が見える位置で涼香と涼音が二人ははしゃいでいる。


 ここまで喜んでいるなら、菜々美だって運転したかいがあっただろう。


「ほら涼音、写真撮ってあげるわ」


 そう言ってスマホを持っていた涼香はカメラのシャッターを切る。


「もう撮ってるじゃないですか……」

「上手く撮れないわね」


 撮った写真を確認した涼香が画面を涼音に見せる。


 涼音の顔は暗くて見えず、その背後に写る夜景の輝きも光が分散したようでくっきりと見えない。


「今は写真なんか撮らずに、この目でこの景色を見ましょうよ」

「そうねえ……」


 そう言った涼香は、スマホをポケットにしまうと、涼音の身体を背後から抱きかかえる。


「ならタイタニックをしましょう」

「いやなんで⁉」

「そうね、逆だったわね。私が前に行くわ」

「えぇ……」


 涼香がなにを言っているのかよく分からなかったが、まあ楽しそうだから別にいいか、と涼音は思うことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ