車の中にて 2
菜々美の運転で夜景を見に行こうという話になり、夜までドライブしたりショッピングモールに寄ったりしていた涼香、涼音、ここねの三人を乗せた車が、夜景スポットに続く道のりを登っていた。
等間隔に並ぶ街灯、舗装されている道路、初心者マークの菜々美でも恐れることなく車を運転できる――と思っていたが、菜々美はぶつぶつなにかを言いながら、前方を睨みつけて運転していた。
「結構遊んだわね」
後部座席に乗っている涼香が、窓の外を眺めながら言う。
「先輩が滑った時は焦りましたよ」
その涼香を見ながら涼音が顔を顰める。
「流石涼音ちゃんって感じだったよ。わたし達じゃ涼香ちゃんを受け止められなかったもん」
ここねはその時のことを思い出して微笑む。
「あたしもまさかあんな所で先輩が転びかけるとは思いませんでしたよ。たまたま隣にいたから良かったものの……」
「これからも隣で私を支えてね☆」
「えぇ……、ちょっとは自分で立ってくださいよ」
「やっぱり二人は仲がいいねー」
中でそんな会話をしながら、車は坂道をゆっくりと登っていくのだった。




